第39回「あなたのペット、語ってくださ〜い！」




















20歳までずっと犬と一緒に育ってきた。

思い出はいっぱいあるけど、高校時代のこと。

その頃の愛犬はもう二十年近く生きていて、
人間でいうと認知症のような状態。
誰もが認めるほど犬だと思えないくらい豊かだった表情がなくなって、
コロコロ表情が変わっていたのと同じ犬だと信じられないほどになってた。

でも、私が痛めた足を一生懸命なめてくれた。
犬には傷をなめて治す本能があるらしい。

私が足を痛めていたことを知っていたのか、
たまたまだったのかわからないけど、
思わず「ありがとう」と言って頭を撫でていた。

そんな光景を少し離れたところで見ていた親が、
そっと涙ぐんでいたのだと知ったのはつい最近。

その瞬間、この世を去った愛犬に会いたくてたまらなくなった。